5000万円を貯めるということ
僕のとりあえずのFIRE達成の目標額は5000万円です。4%ルールによれば、これだけ貯まれば僕はもう仕事をしなくても生きていけるということになりますが、果たしてこの金額に到達するのはどれぐらい難しいことなのでしょうか?
最近は老後2000万円問題もあり、なにかとPersonal Financeに焦点が向けられている潮流を感じる頃です。しかしこの2000万円という数字でビビっていてはFIREなど到底成し遂げられません。毎年100万円を黙って貯金していれば20年間で額面上は積み上がる数字です。もちろん何か特別な事情があるのだとしたら仕方のないことですが、平均以上の給与を得ていて65歳までに2000万円も貯められないのだとしたら、今回の一連のニュースをライフスタイルを見直すきっかけにした方がいいのかもしれません。
さて、話を戻しましょう。今回は平均程度の給与を得ている普通の人が、5000万円の資産を築くには何年かかるのかを検証してみます。何故5000万円か?それは、僕のようなLeanFIREを目指すものにとってはFinancial Independenceの1つの目標地点だからです。しかし、この金額は普通の年収で普通の仕事をしている人にとっては途方もない額のように思えるのではないでしょうか?5000万円は僕の現在の年収の何倍もの数字であるわけで、ただ貯金をするだけでは何十年もかかってしまうでしょう。そこで、インデックスファンドという最も効率的であり堅い投資手法の助けを借りて達成しようじゃないかというのがFIREの方法論です。
インデックスファンドと複利の力
投資といってもインデックスファンドは博打ではないので、短い期間で資金が何倍もの金額に膨れ上がるとは一切考えません。いつものことながら消極的にリターンを見積もって、年間5%の利益がでると仮定します。投資をしないという選択肢はありません。何故なら10年以上の長期スパンで見た時、マーケットの全体はかなり高い確率で上昇しているからです。この全体の上昇の恩恵に預かるのがマーケットの全体に投資するインデックスファンドなのです。
このように長期で投資を行うことによって、投資の1番の利益の源泉である複利の力(Compound Interest)を味方につけることができます。複利とは投資の利益がまた利益を生み出し、どんどん総資産を膨らませていく雪だるま式の現象のことを言います。かのアインシュタインをして「最も強大な力(the most powerful force)」と言わしめたとも言われるこの複利の力がどれほどのものか下記の試算で確認してみましょう。
検証:年間200万円を投資に回した場合
今回の検証では、1年間で投資に回す額は200万円とします。手取り年収400万円の人が簡素な生活をして毎年貯められる額という前提です。
上述した通り年間5%の利益がインデックスファンドより得られると仮定すると、結果は以下の表のようになりました。

結論から言うと16年目で4968万円と、約5000万円の資産が形成されることがわかります。毎年200万円をよくある銀行の普通口座か何かにただ貯金していただけでは利子はほぼつかず、25年経ってようやく5000万円に届くことになります。インデックスファンドに投資をする事で9年も早く目標額に到達することができたと言うことになります。
もっというと、16年目ということは元々の金額合計は3200万円なので、この期間で1800万円を投資が稼ぎ出してくれたという意味になります。利回りについて何も知らないと年間5%と聞いても「100円が105円になるだけでしょ?」と思ってしまうかもしれませんが、このように長期間の積み重ねがあると大きな利益を生み出せることがわかりますね。
この長期間の金額の増加に大きく貢献しているのが「複利の力」です。4列目で複利によってその年に発生した金額と、6列目でこれまで複利で生まれた利益の合計を計算しています。16年目の時点では1800万円が投資の利益として生み出されたわけですが、そのうちの20%強にあたる408万円が複利によるもの、つまり利回りから生まれた利回りというわけです。
16年目の時点で既にこの複利は年間76万円ものお金を稼いでくれていますが、この金額は年々増加していきます。1番下の行である25年目を見ると元々投資に回した元金から発生する見込みの利回り250万円に対し複利は227万円と、ほぼ同程度の金額になっています。さらに長期で投資を続けたとすると複利の金額の方が大きくなるという逆転現象すら起こるのです。
今回の記事で改めて複利の力を確認することができたと思います。これがインデックスファンドで長期投資をすることの最大の理由です。投資をしないなんてもったいない!と思っていただければ幸いです。