FIREムーブメントに参加する始めの一歩はなんでしょう?
あなたの年間の支出を定めることです。
年にいくらの支出が発生するのかが分かればFIREの目標額も年間の貯蓄率も決まります。4%ルールによればこの年間の支出の25倍の数字があなたが仕事を辞めるまでの目標額となります。
そして自分の日々の生活費を見直すということは、FIREの「消費社会が喧伝する浪費を極力避ける」という哲学をあなたの生活と照らし合わせることができる良い機会となると思います。
予算を決める
支出は2種類に分けましょう。
・生活していくのに必ず必要になるNeeds
・必要ではないがあれば暮らしが豊かになるWants
まずはNeedsの構成するものが何かを考えます。
ここに書いてある金額は一人暮らしで最低限必要だろうという推測です。必ずしも最低ラインギリギリというわけではなく、割にざっくり書いています。
・家賃6-8万円/月 (1番高いです)
・光熱費+ネット代+携帯代1.6万円/月
(電気3000円+水道2000円+ガス4000円+ネット4000円+携帯格安SIM3000円)
・食費3万円/月 (もちろん自炊前提です。3万円より安く済ませることもますがとりあえず概算です。)
合計10.6〜12.6万円
以上が生活していくなかで毎月発生する必要最小限の支出、Needsでしょうか。ここでは手取りの収入に対する支出ということで、健康保険料等は各種税金とともに除外しておきます。健康保険はまた別で考察する記事を書くつもりです。
ここから前の記事でも紹介したあの表を参考にしましょう。収入の何パーセントを投資に回せば何年で仕事を辞められるかを表しています。
あと何年でFI(Financial Independence 、経済的自立)に到達したいかをこの表を見て考えましょう。
一般的な定年(60-65歳)前にFIに至るというのがFIREの目的ですので、少なくとも20%のSaving Rateは必要だというのがわかりますね。収入の50%の貯蓄をできれば17年で仕事を辞めることができます。
上記のNeedsの約11-13万円があなたの手取りの何割を占めていますか?もしこの時点で収入の半分以上がNeedsに取られてしまっているのなら、Needsを減らすか、収入を増やすか、FIRE到達目標の期限を伸ばすかのどれかでしょう。
Needsを減らすといっても、3万円の食費を削減するのは難しいですし、仮に半分にできたところで1.5万円の節約にしかなりません。支出を減らす時は絶対額の大きいところから手をつけましょう。今回あげたところでいう家賃ですね。家賃は本当に悩ましい問題だと思います。新入社員の頃なんて家賃と光熱費だけで手取りの半分近く持っていかれるなんてことも珍しくないですからね。
家賃負担を軽減する方法を3つ考えてみました。
・ルームシェア
地価が日本と比べても高いアメリカの都市部(LAやNY)だと社会人もルームシェアをすることは割に普通のようです。仲の良い友人や同僚とできれば楽しく生活できるかもしれませんし、意外とありなんじゃないかなと思っています。もちろんプライバシーとか気になるかと思いますが、これで月何万もの節約になるんだったらやってみる価値はあると思いますね。
・パートナーと同居
正直可能であればこれが1番いい選択肢だと思います。ルームシェアよりプライバシーも気にしなくてもいいですし、二人とも働いていれば貯蓄率も跳ね上がりますし、家事とかを分担できれば一人で暮らしているよりお互い生活が楽になりますよ。
・実家
上記2つが難しい場合はあえて一人暮らしをする必要も無いのかなと思います。「え、その歳で実家暮らし?」みたいな社会的プレッシャーは全力で無視しましょう。そういうくだらないことにいちいち付き合っているとあなたの生命エネルギーであるお金はどんどん剥ぎ取られていってしまいます。
Wants :その贅沢の価値は?
Needsの予算がわかったら、今度はWantsの部分にいくらお金をかけることができるのかを考えましょう。上で挙げたNeedsの項目はあくまで必要最小限の支出であり、それ以外に何もお金を使わないというのは心理的にあまり良くないと思います。Wantsというのは全て贅沢と切り捨てることもできますが、感情を持つ動物として時には自分の欲求に応えてあげることも大事です。だからといって欲しい物全部買えるわけではありません。贅沢は無限である一方、それを実現するためのリソースは限られています。
お洒落なブランドの服が欲しいですか?毎週友人達と飲みに出かけたい?毎年新しいiPhoneに買い替えたい?年に何度か旅行に行きたい?気が付いたらスタバに寄っている?
全てはあなたの貯蓄率と相談です。自分でも簡単に作れそうなそのコーヒードリンクは月にいくらかかっていますか?あなたのそのユニクロより少しだけいい生地で作られているシャツは、あなたの貯蓄率の何パーセントに値しますか?毎週飲みに出かけて収入の10%を使っていたら、あなたが経済的に自由になれるまでの時間は5年も長くなるのです。
やりたくない労働を5年間も強いられるくらいなら、いっそそのWantsを予算からカットしてみませんか?そもそも毎年使いもしないオーバースペックな計算機を10万円も出して新調することは本当に必要なんでしょうか?服もユニクロじゃどうしてもダメですか?飲みに行くのも宅飲みにすれば随分安くなりませんか?
この批判を跳ね返せるだけの理由があるならもちろん僕は止めません。ファッションに哲学的意味を見出す人の気持ちも充分理解できます。そのWantsがあなたのFIへの時間を何年伸ばすのか知った上で了解をしているのなら、僕はそれは素晴らしいことだと思います。僕だって海外旅行を趣味としています。馬鹿らしく高い飛行機代を支払って世界を見にいっているのです。FIREにオールインして僧のように生きるのも1つの道ですが、FIREまでの過程を自分らしく彩ろうとすることもまた美しいことです。
全てはトレードオフなのです。あなたのお金も、物も、そして時間も。