じゃあ一体いくら貯めればもう仕事しなくても生きていけるの? 4%ルールとは

4%ルール

働かないで生きていくなんて、何億円も必要なんじゃないの?って思いません? なにか途方もない目標のように思えるかもしれませんが、実は意外とそうでもありません、ぶっちゃけ僕は最低5000万円あればなんとかなると考えています。

ざっくりいうと年間の支出の25倍の金額を貯めて、投資に回せばいいのです。
(投資は基本インデックスファンドという手法を使い、アメリカおよび世界の株式に分散投資するという手法を用いますが、一旦ここでは置いておきます。別記事で詳しく書きました。)

FIREの世界では、4% rule (Safe Withdrawal Rateともいう)という考え方が広く採用されています。投資に回している金額の4%を毎年引き出しても、95%以上の確率で資産が底を尽きることはなく生きていけるというのです。ここで先ほどの支出の25倍というのが絡んできます。

支出が年間200万円だとすると
200万円×25=5000万円
5000万円の4%は200万円です。


この4%ルールは、「Trinity Study」 と呼ばれるアメリカの大学Trinity Universityの賢い学者の方々によってなされた、ありがたい研究の成果です。この研究では1926年~1995年の70年間もの米国株式市場のデータが用いられ、様々に計算した結果、毎年4%なら投資資産から引き出しても大丈夫だろ!という結論に至ったということです。

一点注意したいのが、この4%というのは毎年の資産額の4%を都度引き出していくのではなく、リタイアを決行した時点での資産額の4%に当たる額を、毎年インフレに合わせて調整しながら使っていくという意味です。つまり、僕のように年間200万円を使うために5,000万円を投資資産として貯めた場合、最初の年は素直に200万円を資産から取り崩して使いますが、翌年はそれまでの一年間の物価のインフレが1%あったとしたら、引き出す額もそれに合わせて増やしますので、2年目には202万円を引き出して使うということになるのです。年月の経過とともにどんなに投資資産の価値が上がろうが、または反対に目減りしようが、毎年毎年この調整を繰り返していくというのが本研究の前提です。

Philip L. Cooley, Carl M. Hubbard and Daniel T. Walz 1998,
‘Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable’ , AAII Journal February 1998, P20

上記のグラフをみてください。このグラフはTrinity Studyからとってきたものですが、1926年~1995年の米国の株式市場および社債のデータを基にし、株式:社債の割合が75%:25%の場合、98%の確率で30年後に資産が底を尽きることがないという結果になっています。資産がなくならないばかりか、30年後の中央値では元の資産額より8倍以上(!)に増えているという試算結果になったということです。

ただ、この研究では退職期間として30年間が想定されていて、この30年の間に資産が0にならなければ成功というように定義されています。30年以上の退職期間があるケースをカバーできていないため、僕のように30代でセミリタイアしてしまおうと計画している人にとっては少し物足りないところがあります。そこで、 Trinity Study以降に 30年以上の期間を検証した研究を紹介した記事も書きましたので是非参考にしてください: 「 4%ルールは現在でも成り立つのか?アーリーリタイアを本気で考える 」

FIREがもし失敗してしまったら?

慎ましい生活ができれば億もいらないんですって!なんだかわくわくしません?正直僕は高い車もでかい家もいらないから、自由が欲しい。好きなことをいつでもいつまでも自分のペースでできる、そんな生活が欲しい。

え?仕事を辞めるのが怖い?もし投資がうまくいかなかったら?
そんなこと考えます?仮に今のまま仕事続けたら、あなたの人生がずっと、たかが一つか二つの会社に奪われっぱなしになるんですよ。もし計画がうまくいかなかったとしても、最悪やることはなんだと思います?

また仕事に戻ればいいじゃないですか、結局ふつうの人がふつうにやっていること。あなたも僕も当たり前に今やっていることです。FIREで仕事から抜け出せるチャンスが少しでもあるなら、やってみるべきだと思いますね。ダメでも全てを失うわけじゃないですよね。

併せて下記の記事もどうぞ:

4%ルールは現在でも成り立つのか?アーリーリタイアを本気で考える

4%ルールに対するありがちな3つの誤解 あなたのFIREのための投資手法は本当にそれで大丈夫ですか?